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きりのない想像B「あの人は私のことをどう思っているのだろう?」


私たちの悩みのほとんどに、この「人からどう思われているのか?」が関わっていると言ってもいいでしょう。


ソレは、誰もが頭ではよくわかっているように、本当のところはどこまでいってもはっきりとは、わからないことだからです。


わからないからこそいろいろと想像してしまうのは、人情でもあり、自然なことなのですが、やはりそれが、苦しみや不安をかきたて、日常生活を妨げるほどになってくるとほっておくわけにもいきません。


この「きりのない想像」には、どんな特徴があるのでしょうか?


まず、すぐに思い浮かぶのは、「そうだったら嫌だな、心配だな」と感じる想像です。その最たるものは「嫌われているんじゃないか」というものですが、他にも「怒っているんじゃないか?」、「馬鹿にしているんじゃないか?」、「どうでもいいと思っているんじゃないか?」など、様々です。


こうした不安や心配は、「ころばぬ先の杖」のように、元々は「ちょっと注意しておこう」という自然なものですが、過去の辛い経験と重なるような場合には、気になる度合いも強烈になってしまいます。


ポイントは、今、気になっている相手が問題なのではなく、自分の不安になりやすい気持ちが問題を引き起こしているというところです。


だから、相手が別の人に変わっていっても、「嫌われているんじゃないか?」、「馬鹿にしているんじゃないか?」という不安の中身は同じになってくるのです。


「いつも私は同じことを気にしているなぁ」と気づいたら、自分の過去を振り返ってみるとヒントが見えてくることがよくあります。


もう一つの特徴は、相手がどう思っているかを、自分の考えや感じ方で想像してしまうことがよくあるという点です。


例えば、相手からメールの返事が来ない場合、「自分が返事をしないときは、送られてきた内容に怒っているときだ」とすると、「相手もきっと怒っているに違いない」と想像するわけです。


これも、自然で、ついやってしまうことですが、外れてしまうことがよくあります。


というのも、相手は自分とは違う人間なので、考え方や感じ方も自分とは違うことが多いからです。


それなら「相手の性格はこうだから」と考えていくのもひとつですが、それとても相手の思っていることを百発百中で当てることは無理ですよね。


考えすぎて疲れてしまう前に、中断していた家事や仕事に目を向け、きりのない想像のループから頭を離していきましょう!


最後に、不安な想像が行き過ぎて、「相手はこう思っているのだから」と決め付けてしまい、それに基づいて「だから私はこうしよう」と行動してしまうと、皮肉なことに、こちらから「不安な結果」を招きよせてしまうこともよくあるので気をつけてくださいね。


例えば、「相手が自分を嫌っている」と決め付け、こちらから連絡するのを少なくしてしまったり、実際に顔を合わせたときに、緊張して、話しかけることも少なく、ぎこちない態度で接してしまうことで、相手のほうがこちらのよそよそしさを感じて、距離を置き、関係が冷え切ってしまうと言うパターンです。


相手がどう思っているのかは、やはりわからないことなので、とりあえずは「今までどおりの態度で様子を見ていく」というのが最善の策といえるでしょう。


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